LANLANパソコン(東京パックス/南中野パソコン教室のLAN化日記)

33. サーバ用パソコンの交換と外付けハードディスクの増設(2007/3/18)

1.Windows2003サーバ用パソコンの不具合発生とASRバックアップ

 2007年3月半ばのことであるが、クライアントからデータをサーバ(愛称:水無月)に書き込んでいるとき、妙に時間がかかることがあった。そのときは、ちょっとおかしいな、という程度であったが、数日うちに読み込みや書き込みの際に、妙なひっかかりを感じることが起きた。
 そこで、「水無月」のイベントログを見てみると「HDが既定の時間内に応答しなかった」旨のエラーメッセージが数日間に何回も起きていることが分かった。
 水無月は、2004年5月のLANLANパソコンの記事「25.Windows2003 Serverとフレッツセーフティの導入」の中で「・・新サーバ機といってもサーバ専用機を購入したわけではなく、2002/6購入のEasy400を転用しただけである・・」と紹介しているように、すでに5年近く使っている製品である。1年中、電源が入っているので、かなり酷使している。システム用のHDとして 40GB、データ用として160GB(これは後日増設したもの)の2台のハードディスクが内蔵されている。
 今回は、システム用のHDに異常が起きるようだが、壊れているわけでもない。そこで、3/18の夜にCドライブのバックアップ(自動システム回復バックアップ=ASR)を取った。
 その方法は、スタートからアクセサリでシステムツール-バックアップとたどる。ダイアログボックスで「詳細モードに切り替えて実行」というリンクをクリックする。次の画面で「自動システム回復ウィザード」ボタンをクリックする。
 バックアップ先として、別の内蔵用HD内に設けているバックアップ用フォルダを指定する。Cドライブ以外のHDであれば、(容量が足りれば)どこでもよい。
 コピースピードは、Cドライブの容量にもよるが、かなり速い。バックアップが終了する前にFDの挿入を促される。2HDの空のディスク1枚を入れると、設定が書き出される。作業は、難航を予想したが、案外トラブルはなく、なんとか2時間ほどで終了した。
 なお、付け加えると当方では、定期的(1週間に1回)に通常のバックアップをタスクスケジュールにて自動実行している。そして、そのバックアップデータは、別のパソコンにバッチファイルを実行することで、やはり、自動的にコピーを取っている。ASRバックアップは、必要に応じ、随時、取り、前記のバッチファイルでこれも他のパソコンにコピーされている。
 これで、翌日の作業の準備は、整った。

2.HDの交換するも電源が入らず

 システム用のHDだけをまず、交換してみた。そして、電源を入れるが電源が入らない。
 実は、このマシン、一度、シャットダウンしてしまうと次に電源がなかなか、入らなくなっているのを経験済みであったので、何回かスイッチを入れたり、切ったり、果ては、BIOSクリアなどもしてみたが、もう、いくらやっても、電源が入らない。
 文字通り、マシンがダウンしてしまったようだ。(どうにも、止まらない~~、ではなくて、どうにも動かない・・・でした)
 このようなこともあろうかと、タイムサーバ及びデータバックアップのためのパソコン(愛称「十六夜」)をサーバ機(愛称は、そのまま「水無月」)として流用することとした。
 こちらも、あまり新しいマシンではない。「AMD Athlon XP1700+、512MB」で2002/10購入の製品である。しかし、贅沢は言っていられないので、早速、旧マシンからHDを2台取り外して、新マシンに組み込んだ。

3.新マシンで自動回復機能を使う

 新マシンのBIOS設定をCD起動優先にして、Windows2003サーバのCDでまず、起動する。初期画面でF2キーを押して、前日に作成したASR用のFDを挿入して、実行を指示する。初期化するHDの確認後にHD(今回は80GBのものにした)が自動的に初期化される。初期化が終了するとリカバリ元のファイルの選択画面が表示される。ここで、前日にバックアップしたファイルを指示すると、後は、自動的に復旧が進行する。
 マシンがまったく別物であるため、Windowsの認証を3日以内にする必要がある旨のメッセージが表示される。ネットワークアダプタも別のものであるため、IPアドレスの入力にすこし手間取る。
 再起動後にマイクロソフトへの認証も成功して、その他には、クライアントからのアクセスも含めて、エラーは、生じていない。
 「いやー。ASRの威力は、すごいですな。まったく、びっくりですな!」と言っておきましょう。
 早速、あらためて、新マシンのASRバックアップを行った。

4.タイムサーバ設定の変更

 サーバは、上記のようにマシンを別の製品に変更して、無事、復旧した。
 しかし、タイムサーバ用マシンを転用してしまったので、タイムサーバ機能は、サーバ側で自前で行う必要がある。これは、以前の記事で触れているように ntp.nict.jpを利用するのがよい。
 サーバのDOSプロンプトから、net time \\サーバ名 /SETSNTP:ntp.nict.jp と打ち込み、念のため、net time \\サーバ名 /QUERYSNTP として、変更されていることを確認した。(レジストリエディタで変更、確認する方法もある)

5.外付けハードディスクの増設とデータのバックアップ体制

 タイムサーバの問題は、上述の通り、新サーバ側で対応することで、解決したが、データのバックアップ先が1つなくなってしまったので、こちらも解決する必要がある。
 さて、サーバマシンの変更までは、サーバ及びクライアントのシステム及びサーバ上のデータは、概略、次のようなバックアップを行っていた。

マシン OS システムのバックアップ システムのバックアップ
ファイルのコピー先
サーバの文書データの
バックアップ先
サーバの
マルチメディアデータの
コピー先
サーバ Windows2003
SP1
内蔵ディスク
週1回(通常)自動
随時(ASR)手動
十六夜の内蔵HD(160GB)
週1回(通常)
随時(ASR) いずれも自動的にコピー
弥生の内蔵HD(120GB)
2時間おきに自動的にコピー
弥生の内蔵HD
2時間おきに自動的にコピー
十六夜の内蔵HD
2時間おきに自動的にコピー
クライアント Windows XP
SP2
内蔵ディスク
月1回 手動
十六夜の内蔵HD
月1回 手動にてコピー
重要データはすべてサーバ 基本的にはクライアントにない

 すなわち、システムデータは、内蔵ディスク-「タイムサーバ(十六夜)」の2重、文書データは、「サーバ(水無月)」-「タイムサーバ(十六夜)」-「プリントサーバ(弥生)」の3重、マルチメディア(画像、音楽、動画)は、「水無月」-「弥生」の2重にデータの保存を行ってきた。
 ところが、ここに来て、「十六夜」がなくなってしまったため、どのようにその部分を補うべきかを検討した。
 以前であれば、新パソコンの導入ということになったのであるが、幸い、テラバイト級の外付けハードディスクも比較的手に入りやすい価格になってきている。メルコ(バッファロー)の「HD-W1.0TIU2/R1 [USB2.0&IEEE1394接続 ミラーリング対応HDD 1TB RoHS指令準拠]」(ヨドバシカメラ価格で58800円)を購入した。
 この製品は、500GBのHDを内部に2台搭載していて、RAIDレベル 0または1の設定も可能な品である。RAID 0としては、1TB(1000GB)、RAID 1では、500GB、そして、RAIDの設定をしなければ、500GB×2台の外付けHDとして使用できる。
 このHDを、当初、サーバに接続して使うつもりであったが、調べてみると新サーバ用パソコンも結構、古い製品のため、USBが1.1で2.0に対応していないことが判明。それならばとIEEE1394でと思ったが、当該PCIボードは、あいにく、手持ちがない。
 仕方がないので、「弥生」(プリントサーバ用パソコン。省スペース型:120GB 1台)の外付けHDとしてUSBケーブルで接続した。RAIDレベルは、1のミラーリングとして利用することとして、データの安全性を重視した。RAIDの設定は、製品付属のCDから所要のアプリケーションをインストールすることにより、簡単に行える。
 ただし、RAIDレベルの変更は、外付けHD全体の初期化を必要とするので、安易に変更はできない。もし、1台が故障しても500GB以上の容量を持つメルコ指定のHDと交換することが容易であり、RAIDの再構築も自動的に行われるとのことである。故障時は、ブザー音で知らせる。外観は、下の写真のようである。
 電源は、APCから取っているが、AUTOの設定にしておくとパソコン側がシャットダウンすると自動的に電源が切れるという。(最初とRAIDのHDの故障による交換時は、必ず、MANUALとしておくこととのことである)


 サイズは、W99×H221×D163mmと小型。重量:約3.1kg で消費電力は、最大47W とパソコンより省電力は、Good!。
 なお、最初は、FAT32でフォーマットされているので、NTFSでフォーマットする場合(ビデオファイルなどで4GBを超えるファイルがある場合などやNTFSアクセス権を設定したい場合(XP Proや2003 Serverなど)では、ディスクの管理からフォーマットをする必要がある。このとき、必ず、通常のフォーマットをするように。(クイックフォーマットでは、うまくないケースがあるとのこと)
 この結果、データ等のバックアップ体制は、下記のようになった。

マシン OS システムのバックアップ システムのバックアップ
ファイルのコピー先
サーバの文書データの
バックアップ先
サーバの
マルチメディアデータの
コピー先(2個所)
サーバ Windows2003
SP1
内蔵ディスク
週1回(通常)自動
随時(ASR)手動
弥生の外付けHD(500GB)
週1回(通常)
随時(ASR) いずれも自動的にコピー
弥生の内蔵(120GB)
2時間おきに自動的にコピー
弥生の外付けHD
(一部は弥生の内蔵HDにも)
2時間おきに自動的にコピー
弥生の外付けHD
2時間おきに自動的にコピー
クライアント Windows XP
SP2
内蔵ディスク
月1回 手動
弥生の外付けHD
月1回 手動にてコピー
重要データはすべてサーバ 基本的にはクライアントにない

 バックアップ先は、RAID 1のミラーリングを考慮すると、システムデータは、2重から3重(内蔵ディスク-弥生の外付けHD(ミラーリング)」、文書データは、3重から4重(水無月-弥生の内蔵HD-弥生の外付けHD)、マルチメディアデータは、2重から3重(一部は4重。水無月-弥生の外付けHD)に信頼性が増した。
 ただ、水無月のデータ用内蔵HDの容量は、160GBであるので、こちらの方は、そろそろ、何らかの手を考えなければならない。
 こうしてみると、宣伝文句ではないが、「システムの信頼性は、ストレージにあり」は、確かに真実であると実感する。

6.変更後のネットワーク

 タイムサーバ兼データバックアップ用のパソコン「十六夜」がなくなり、代わりに「弥生」に外付けHDが増設された。サーバ「水無月」は、2階に引っ越した。
これにより、LANのネットワークは、下図のように変化することになった。