会員の皆様へ(2007年6月のご挨拶)

どうなっているんだ!年金

目次

 南天の花が咲きました
 どうなっているんだ
 なぜ、今頃、公表したんだ
 そうは言っても、私たちは
 想像力の欠如はマスコミにも
 一筋の光は
 終わりにあたって
 私事ですが・・(2007/6/7 追加 その1)
 年金手帳の謎(2007/6/7 追加 その2)
 今回の騒動の根本的な原因(2007/6/7 追加 その3)

南天の花が咲きました

みなさま、お元気でしょうか。
 我が家の庭では、ナンテンの花が咲き出しました。南天は、「難を転ずる」との言葉遊びで、縁起の良い植物として、昔は、特に人気があったようです。
 いわゆる、「福もの」ですね。
 しかし、今月のご挨拶は、そんな「福」ものではありません。
 私は怒っています。
目次です。

どうなっているんだ

もう、皆様方もご存じのことですが、「社会保険庁」の今回のていたらくには、ほとほと、あきれました。
 昨年の年金未納事件は、第1幕 推理ドラマ風のドタバタ喜劇 「未納年金の謎」でしたが、今年上演されている第2幕は、SF調悲劇 「喪われた年金の記録」です。
 嗚呼(ああ)。故 光瀬 龍氏もあの世で嘆かれていることでしょう。

 「♪ スイスイスーダララッタ スラスラスイスイスイ ~ ~ 不明の年金 5万件! こりゃ また、 失礼いたしました
 これでは、故 植木等氏にそれこそ、失礼です。
 5万件ではなくて、5千万件ですからね。(いや、冗談を言って笑っている段階ではありません)

 この不明な件数、5000万という数が、昨年でしたか、テレビの「たけしのTVタックル」の中で、ある代議士さんの口から出たときは、他の出席者は、呆然としていましたから。
 私も偶然、この番組を見ていて「ほんまかいな」と思いました。
 出席者からも「本当ですか?」という声があがりました。
 不明額が5000万円ということであれば、まだ、許せますが、冷静に考えて、
 「5000万件という数字は、その辺に転がっている数ではないんだよ!」(「マルサの女2」のパクりです・・)
 仮に5000万件を1000人がかかりきりになって1日に一人10件調べても5000日(約13年)かかるわけですからな。
 普通、これには驚きます。
 驚かないのは、事実を知っていた社保庁の人だけでしょう。
目次です。

なぜ、今頃、公表したんだ

聞くところでは、平成9年(1997年)に基礎年金番号に統一するとき、2億件の不明のデータがあったそうな。(2007/6/7の NHKの放送では3億件だったそうです)
 現在、その数字が約5000万件に減ったというではありませんか。
 これは、つい、最近、公表されました。
 「よくがんばったね。社保庁のみなさん」というアピールなのでしょうか?
 とすれば、なぜ、今まで黙っていたのでしょうか? 「知らぬが仏」ですね。

 おそらく、「今まで、その種の質問がなかった」という答弁が帰ってくるのでしょうが。
 「あまりに、ずさん、あまりに、いいかげん、あまりに勤労者をバカにしている」!
 まさに「よらしむべし 知らしむべからず」という江戸や明治時代のお役人感覚です。
 論語に「過ちて改めざるを これ、すなわち、過ちという」という言葉がありますが、まさに、「社保庁は、誤っても謝らず」。(一句できましたな)

 国会での現長官の答弁ではなく、当時、実際の事務処理に当たった現場の職員の話を聞きたいと思ったのは、私だけではないでしょう。
 「なぜ、このような大量の数字が不明で残るような事務処理をしたのか?」、
 「なぜ、今まで、黙っていたのか?」
 しかし、今に至るも、納得のいく説明がない以上、5000万件の過ちが10年経っても残るという「事務処理」は、「事務」という言葉にも値しない単なる「処理」だったと断定させていただきましょう。
 すでに不明者の中に亡くなってしまった人がいる可能性もあり、この10年という年月は、もはや、どう償っても取り返しが付きません。
目次です。

そうは言っても、私たちは

本日、社保庁の改革法案、不明年金の救済法案が衆議院を通過したそうですが、むなしいです。
 「改革法案」とは何でしょう。
 「過ち隠し法案」でしょう。
 「救済法案」とは何でしょうな?「年金救済法案」ではなくて「内閣救済法案」の聞き違いでしょう。
 ごまめの歯ぎしりですな。

 とりあえず、現在、私たちにできることは、社会保険事務所に(わざわざ!)出向いて相談するか、社保庁のWEBでIDとパスワードを申し込んで、(ありがたく!)郵送してもらって、(自分で!)年金の納付記録を調べて確認するしかありません。
 社保庁からどうして、すべての納付者にすべての事実を連絡しないの!(想像するのに、あまりに多くの誤りが明るみに出てしまうのが怖いのか!!)
 もう、むなしいのか、悲しいのか、口惜しいのか、ここまでくると、まったく何がなんだか分かりませんな。

 さらに、それに追い打ちをかけるのが、いわゆる領収書や給与明細書の記録確認です。
 社保庁に記録がないとなると、事実上、自分で証明するしかない。
 数十年も前の証拠を持っている人は、まれでしょう。
 ばかばかしさもここまで来ると滑稽です
 近日上演予定の第3幕は、不条理劇 「不明年金の証明」です・・ 

 およそ、現代日本社会で起きた事件ではないような「非現実感」にとらわれてしまいます。
 何年か前、アメリカのある選挙での投票数の数え直し騒ぎを私たち日本人は、笑ったものですが、そのことなど、今回の件と比較すれば、爪の先のごみのようなことだったです。
 アメリカ人は、さぞ大笑いしていることでしょう。

想像力の欠如はマスコミにも

しかし、毎年、年金を新規にもらう人について、10万件以上の修正が行われているというのは、知っている人は知っていたようです。
 この数字や修正方法も、通常の感覚では考えられないですなあ。
 そんなに誤りが多い、という事実から、「さらに精査すれば、途方もない数の潜在的誤りがあるのではないか」と想像する力が私たちやマスコミにも無かったことが今となっては残念です。
目次です。

一筋の光は

ずばり、解決のカギは、住民基本台帳法に基づいて作成された個人の基本番号との照合でしょう。
 個人番号と社保庁のデータの氏名や生年月日とのデータとをマッチングさせて互いの番号同士の対照表を作ればよいでしょう。
 社保庁のずさんな記録は、頼りになりません。
 あやふやな5000万件同士でいくら掛けあせて、照合しても正確な結果は期待できないでしょう。
 (ほぼ)正しい住民基本台帳との照合が必要です。
 コンピュータの使い方が分かっていませんな。
 せっかくのデータをこういうときに使わずにどこで使うんだよ。
目次です。

終わりにあたって

 今回もご覧いただき、ありがとうございました。お読みいただき、不快な感情を持たれる方がいらっしゃれば、むしろ、幸いかも知れません。
 そう思うほど、この問題は、深刻です。
 6月となり、蒸し暑い日がありそうです。皆様、お元気でお過ごしください。
目次です。

私事ですが・・(2007/6/7 追加 その1)

かねて、2007/5/24に社保庁のWEBページからIDとパスワードを申請していたところ、6/4付けでIDとパスワードが、郵送されてきました。
 記載されているのは、申請時の受付番号(5/24の受付時に画面に表示されたもの)、ユーザID(社保庁から指定された英数字8桁)、パスワード(同じく、英数字記号の8桁)です。英字は、大文字小文字が区別されています。
 さて、6/5に社保庁の指定されたページから確認をしてみました。ログインには、上述のIDとパスワード以外に申請時に自分で決めたパスワード(英数字)も必要です。(セキュリティ的には、ほぼ、完璧ですなぁ。
 よく計画されたシステムです。
 この周到さが「年金管理」に抜けていたのが残念です)

 結果は、「国民年金」の分しか記載がありませんでした。厚生年金の方がない!
 すなわち、統合されていなかったのです。当然というか、やっぱりというか、案の定というか。
 私は、過去、3回転職をしていますので、その職歴を整理してから、翌日、現住所の年金相談窓口に電話をしてみました。
 姓名と生年月日、職歴等を告げると記録を検索してくれて、無事、いずれの記録も確認できました。
 近日中に社保事務所に出向いて手続きをすれば、統合されるということです。
 しかし、統合されていなかった原因は不明です。

 平成9年(1997年)1月1日に送られてきた社保庁の「基礎年金番号通知書」では、2つ以上の年金手帳か2つ以上の年金番号を持っているか、否かの回答を求めていたと記憶していますが、この時点では、私の(1冊の)年金手帳には、厚生年金番号と国民年金番号の2つの異なった番号が記載されていました。
 私は、てっきり、この2つの番号が統合されて、その通知が来たのだと思ったのですが、本日(6/7)のNHKの放送を聞いているとどうもそうではなくて、複数の年金手帳を持っている人だけでなく、私のように1通の年金手帳に複数の番号が記載されている人も、その旨を回答してほしかったようですな。

 う~ん。国民年金番号は、1996年に最後の会社を退職し、国民年金に加入したときに付与されたと思われます。
 なぜならば、厚生年金番号(1975年)の方は、ゴム印なのに国民年金番号の方は、ワープロ等で印字した紙片が貼付されているので、明らかに国民年金番号の方が後からつけられたものと分かります。
 しかし、分からないのは、国民年金番号のすぐ上に厚生年金番号があるのにもかかわらず、このすでにあった厚生年金番号の情報は、国民年金の受付窓口の市町村から社保庁には、送られなかったと思われる点ですね。
 送られていれば、統合されていたでしょうから。

 まあ、市町村から情報が社保庁にいかなかったのは、仕方がないとしても、では、その後の「名寄せ」処理でどうして統合されなかったのかが問題となります。
 私の名前は、あまり世間にないものなので、この点は、謎です。
 実際には、「名寄せ」処理がどこまで行われていたのか、釈然としません。
 つまるところ、上述の放送にもありましたが、年金の受給手続きの際に統合すれば、よいという考え方が根底にあったからと思われます。
 皆様もぜひ、WEB等から自分で確認していただくことを強く、お勧めします。
目次です。

年金手帳の謎(2007/6/7 追加 その2)

「年金手帳」には、謎があります。
 手帳の裏面には、
 「この年金手帳は、厚生年金保険、国民年金、船員保険の3制度共通のものです。将来年金を受けるときに必要ですから、大切にしてください。」と記載されているにもかかわらず、手帳固有の番号がないという点です。
 手帳には、それを代替えするものとして、厚生年金、国民年金、船員保険の各年金番号の記載欄と氏名、性別、生年月日の欄はありますが、データベース的にいえば、「主キーがない」ということです。
 どれか一つの年金に加入しているのであれば、これでもなんとか事足りるのですが、複数の年金番号を持ったときにこれらが同一の年金手帳のものであるということが簡単にわかりません。
 識別するための固有番号がないのは、大問題ですね。(それで、ようやく平成9年に「基礎年金番号」が付いたのですが・・・)

 二つ目の謎。
 手帳には、「国民年金の記録」、「厚生年金・船員保険の記録」のページが(少ないながらも)あるのですが、国民年金の方は、「被保険者となった日」、「被保険者の性別」、「被保険者でなくなった日」の3つの欄にそれぞれ居住地区の役所のゴム印が押印され、ボールペンで日付等が記載されています。
 ところが、「厚生年金・船員保険の記録」ページには、「制度」、「事業者名」、「所在地」と前述の2つの日付欄があるにもかかわらず、すべて空欄です。(仕方がないので、私が鉛筆で項目をメモしていました)。 
 会社では、確か手帳を社会保険事務所に提出していたと思っていたのですが、それとも、番号のみを届け出用紙に記載して提出していたのでしょうか?
 どうして、社保事務所では、せっかくの手帳に所定の事項を記載しなかったのかと、この点も理解に苦しむ謎です。
目次です。

今回の騒動の根本的な原因(2007/6/7 追加 その3)

ずばり、国民ひとりひとりの固有番号がなかった(付けられなかった)せいでしょう。
 現在では、前出の住民基本台帳のコード番号がありますので、原理的には、このコードで各人を識別できるわけです。
 ですが、不思議なことにこのコードは、居住区以外で住民票等を取得するためだけに利用できて、他の目的には、利用できない点です。
 そのため、今回、「名寄せ」などの無駄な作業が必要となるわけです。
 この点を改め、コード番号を利用する道を開いていかないと今後も同種の問題が生ずると思われます。
目次です。

前回のご挨拶に戻る今月のご挨拶に戻る次回のご挨拶に進む