会員の皆様へ (2003年9月のご挨拶)

オープンソースとボランティア

カセットテープからCD化

2003年2月のご挨拶で取り上げた「カセットテープからCD化」を夏休みの間に少し、進めてみました。
 心配していたカセットテープ自身の劣化よりもラジカセのテープ読み取り部分の変化の方が甚だしくて2台のラジカセに備わっている4個所のうち、満足なものは、1個所のみという有様でした。
 テープクリーナーでクリーニングしてみても直らないところをみるとヘッド部の故障かも知れません。
 今回は、「佐良直美」、「本田路津子」、「芹洋子」、「岩崎宏美」、「竹内まりや」、「グレープ」などのなつかしいカセットをCDにしてみました。


 流れは、
1.テープからデジオンでハードディスクに録音
2.B's Recorderで音楽CDとしてCD-Rに記録
3.ラベルマイティでCDラベルを印刷して貼付
ということになります。

 ポイントは、1.の録音の際のラジカセからパソコンに取り込む際の音量の調節です。
 デジオン側であらかじめ1曲全体をモニタし最大音量を把握してからゲインを調節し録音すれば、良いのですが、この方法ですと1曲の録音に2倍の時間がかかってしまいます。
 いきなり録音していくとどうしても音が割れてしまう場合があります。そこで、気がつけばやり直すことで救われるのですが、CDにしてからだとCDの作り直しになってしまいます。
 CD化を急がずにテープから録音を進めておき、ある程度の数のテープ録音が完了後にパソコン上で再生して確認し、全部、OKとなってから順次、CDにしていった方が結局、早いようです。

時の流れと・・

約25年前のテープを聴いてみるとやはり、懐かしい気持ちになります。
 そういえば、本田路津子さんは、どうしていらっしゃるでしょう。早速、検索してみますと、お元気で活躍されているようです。
 「路津子」と書いて「ルツコ」と読ますのは、お父様が旧約聖書の「ルツ記」からとられたものと昔、聞いた記憶があります。
 その涼しげな高い声に耳を傾けていると、25年間、じっと、聴かれるを待っていたテープが本当に愛おしく思えるのでした。
 CDは、今後、25年、その声を保存してくれるのでしょうか。25年後に確かめてみたいものです。
 もっとも、CDドライブ(と私)が生き残っていればですが。

オープンソース

オープンソースという用語が一般に知られてきてからかなりになります。
一口に言えば、ボランティアにより作成されたソフトウェアのことです。
 ボランティアということで最初は、軽んじられていたオープンソースですが、近年、特にLinuxをIBMが全面的に採用してから、高く評価されるようになりました。
 オープンソースは、文字通り、ソース(プログラム)を公開することが特徴です。
 公開されたソースを基に大勢の人たちが改良していくので品質が向上するものと信じられています。

ボランティア

ボランティアを日本語では、「奉仕活動」と訳すわけですが、ソフトウェアに対するボランティアの成果は、たとえば、オープンソースという形で結実しています。
 もちろん、ボランティアによるオープンでないソフトウェアもあります。
 いわゆる「フリーウェア」と称されるものです。フリーウェアは、無料で提供されているソフトウェアですが、一般には、著作権は放棄されておらず、ソースも公開されていません。
 以下では、ボランティアによる商品やサービスの提供と営利活動とについてについて考えてみたいのです。
 ボランティアで大切なことは、「自発的な奉仕」ということでしょう。いやいやながらの奉仕では、成果も落ちてしまいます。
 ソビエトの崩壊を例に挙げるまでもなく、労働と収入との間に比例関係がないと人々は、働かないということがはっきりしました。
 一方では、人は、興味や関心があることに対しては、見合った収入を得られなくとも熱心になるという面も持っています。
 たとえば、「趣味」や「宗教」というものは、そういう性格のものです。
 日本人は、どちらかというとボランティアに熱心でないと評される場合があります。仕事に強い熱意を感じていると余裕がなくなるのかも知れませんが、そのような人たちにとっては、仕事=趣味=喜びであり、欧米でとらえられているような、労働=苦役という観念は少ないためもあるでしょう。
 欧米では、労働=苦役であるので、ボランティア(自発的な奉仕、それはしばしば神への奉仕という面もあるでしょう)=喜び、なのでしょう。
 このように考えてくると、日本では、オープンソースに貢献している人が少ない、という事実もあながち、英語の問題だけとは言えず、仕事観、宗教観の違いによる結果といえるかも知れません。

高齢者の増加とボランティア

日本でボランティア活動が盛んになってきているということは、女性の社会参加の増加も大きいと思いますが宗教観の変化とも思えませんので、仕事観の変化にも原因があるかも知れません。
ところで、近年の日本における高齢化は、元気だけけれども仕事がないという高齢者を大量に生み出しています。これらの人たちがボランティアに生き甲斐を見いだしていらっしゃる例も多いようです。
高齢者の間でもボランティアとして活動するという考えとシルバー人材センター等で一定の対価を得て働こうという、ふたとおりの考え方があります。
そこには、当然、生活費の問題もあるわけですが、一方では、仕事に対する考え方の違いかとも思われます。

ボランティアと産業社会

ボランティアは、会社等の営利活動に影響を与えるでしょうか。
 現にオープンソースは、マイクロソフト社に影響を与えています。
 ソフトウェア(プログラム、小説、画像や音楽、ホームページなど)を除けば、農林水産、工業などの製造業では、ボランティアによる影響は少ないでしょう。
 しかし、サービス業では、ボランティアの影響は、今後、大きくなってくると考えられます。
 特に日本では、大量の高齢者が出現しつつあるので今後数十年間にわたり、影響があると考えられます。
 これまで、高齢者となっている人々は、どちらかというと仕事一途に生きてこられた方々です。
 だからこそ、仕事を離れた今、ボランティアに熱意を燃やす人もいらっしゃいますが、そうでない人たちの割合の方が多い気がします。
 今後は、それが逆になる可能性もあるわけです。
 折しも日本では、製造業からサービス業への移行が進みつつあります。サービス業に船出しようという会社は、このことを十分に考慮する必要があるでしょう。

終わりにあたって

では、今月は、ここまで。
皆様、お元気でお過ごし下さい。また、来月、お会いしましょう。

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